「セキュリティエンジニアになるには、何から始めればよいのだろう」と調べている方も多いのではないでしょうか。
セキュリティエンジニアになるには、ネットワークやサーバーなどのIT基礎を身につけ、実務経験を積みながらセキュリティ領域へ専門性を広げる方法が現実的です。IT未経験から直接目指せる求人もありますが、インフラや開発の経験を経由するルートもあります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、セキュリティエンジニアになる方法や未経験からのロードマップ、必要なスキル・資格について解説します。
そもそもセキュリティエンジニアとは
セキュリティエンジニアとは、企業のシステムやネットワーク、データなどをサイバー攻撃や情報漏えいから守るITエンジニアです。
セキュリティ対策の設計・構築だけでなく、監視や脆弱性への対応、問題発生時の調査など幅広い業務を担当します。
主な仕事内容は以下の通りです。
・セキュリティ対策の企画
・ネットワークやシステムのセキュリティ設計
・セキュリティ製品の導入・設定
・不審な通信やアクセスの監視
・脆弱性の調査
・セキュリティ事故発生時の対応
・再発防止策の検討
ただし、すべてのセキュリティエンジニアがこれらを担当するわけではありません。
企業やポジションによって、設計・構築が中心の場合もあれば、監視や分析を専門に担当する場合もあります。
セキュリティエンジニアになるには?4つのルート
セキュリティエンジニアになる方法は一つではありません。
未経験から直接目指すほか、インフラや開発などの経験を活かしてセキュリティ領域へ移る方法があります。
| ルート | 特徴 | 向いている人 |
| 未経験から直接目指す | セキュリティ監視などから経験を積む | IT業界自体が未経験の人 |
| インフラから目指す | ネットワーク・サーバー経験を活かす | インフラ経験者 |
| 開発から目指す | 開発知識をセキュリティ対策に活かす | 開発エンジニア |
| 社内IT部門などから目指す | セキュリティ運用経験を専門性につなげる | 情シスなどの経験者 |
1.未経験から直接目指す
IT未経験者の場合は、未経験者を対象とした求人からセキュリティ分野へ入る方法があります。
最初は監視や運用など、基礎的な業務から担当するケースが考えられます。
メリット:早い段階からセキュリティ業務に触れられます。
注意点:求人によって担当業務が大きく異なるため、「セキュリティエンジニア」という職種名だけで判断しないことが重要です。
2.インフラエンジニアから目指す
ネットワークやサーバーの経験を積んでから、セキュリティエンジニアへ進むルートです。
アクセス制御やファイアウォール、サーバー設定など、インフラとセキュリティには共通する知識があります。
メリット:これまでのネットワーク・サーバー経験を活かしやすいルートです。
注意点:インフラ経験だけで十分とは限らないため、セキュリティ固有の知識も身につける必要があります。
3.開発エンジニアから目指す
開発経験を活かし、アプリケーションセキュリティなどへ進む方法もあります。
Webアプリケーションの仕組みを理解していることは、脆弱性を考えるうえでも役立ちます。
メリット:プログラミングやシステム設計の経験を活かせます。
注意点:目指す領域によってはネットワークやインフラの知識も必要です。
4.社内IT部門などから目指す
社内SEや情報システム部門でセキュリティ対策を経験し、専門職へ進むルートもあります。
アカウント管理や端末管理、セキュリティ製品の運用などの経験が活かせる場合があります。
メリット:社内のセキュリティ運用経験をキャリアにつなげられます。
注意点:業務範囲が限定的な場合は、転職前に不足している技術領域を整理する必要があります。
未経験からセキュリティエンジニアになる5ステップ【ロードマップ】
IT未経験から目指す場合、いきなり高度なセキュリティ技術だけを学ぶ必要はありません。ITの基礎から順番に学び、実務で扱える範囲を広げていくことが重要です。
ステップ1.ITの基礎知識を身につける
まずはコンピューターやOS、ネットワークなどの基本的な仕組みを理解します。
セキュリティはITシステムを守る仕事なので、守る対象の仕組みを知らなければ適切な対策を考えることが難しくなります。
ステップ2.ネットワーク・サーバーを学ぶ
次に、ネットワークやサーバーについて学びましょう。
たとえば、以下の知識が役立ちます。
・IPアドレス
・通信プロトコル
・ルーター
・ファイアウォール
・Linux
・サーバー
・アクセス権限
特にインフラ系のセキュリティを目指す場合は重要な基礎になります。
ステップ3.セキュリティの基礎を学ぶ
IT基礎を理解したら、セキュリティ固有の知識を学びます。
代表的なテーマには、マルウェア、ランサムウェア、不正アクセス、フィッシング、脆弱性などがあります。
攻撃手法の名称を覚えるだけではなく、「なぜ問題が起こるのか」「どのような対策が必要なのか」まで理解することが重要です。
ステップ4.実務経験を積む
知識を身につけたら、実際の業務で経験を積みます。
最初から高度なセキュリティ設計やコンサルティングを担当するのではなく、インフラ運用やセキュリティ監視などから経験を積む方法もあります。
IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちへの相談でも、「セキュリティエンジニアになりたいが、実務経験がない」という相談があります。
その場合は、セキュリティ職だけに絞るのではなく、将来的にセキュリティへつながる経験を積める求人まで選択肢を広げることも一つの方法です。
ステップ5.専門分野を決める
セキュリティエンジニアには複数の専門領域があります。
経験を積みながら、自分がどの分野へ進みたいのか考えましょう。
・ネットワークセキュリティ
・クラウドセキュリティ
・セキュリティ監視・分析
・脆弱性診断
・インシデント対応
・セキュリティコンサルティング
目指す分野によって必要な経験や知識は変わります。
セキュリティ分野はどう選ぶ?
セキュリティエンジニアを目指す際は、「セキュリティをやりたい」から一歩踏み込んで考えることが重要です。
自分の経験と興味のある業務を照らし合わせると、目指す分野を決めやすくなります。
| 興味・経験 | 目指しやすい分野 | 活かせる知識 |
| ネットワークが好き | ネットワークセキュリティ | 通信・ネットワーク |
| サーバー・クラウド経験がある | クラウドセキュリティ | サーバー・クラウド |
| ログ分析が好き | セキュリティ監視・分析 | ログ・ネットワーク |
| 開発経験がある | アプリケーションセキュリティ | 開発・Web |
| 顧客課題の整理が得意 | セキュリティコンサル | 技術・提案 |
現在の経験をすべて捨てて一から始める必要があるとは限りません。
まずは自分の経験とセキュリティ業務の接点を探しましょう。
独学とスクール、どちらがよい?
セキュリティエンジニアを目指すために、必ずスクールへ通う必要があるわけではありません。
基礎知識は書籍や学習サービスなどを利用して独学することもできます。
独学が向いているのは、自分で学習計画を立てられる人や、すでにITの基礎知識がある人です。
一方、IT未経験で何から学べばよいかわからない場合は、体系的なカリキュラムが用意された学習環境を利用する方法もあります。
重要なのは独学かスクールかではなく、目指す求人で必要とされる知識を逆算して学ぶことです。
高額なスクールへ通えばセキュリティエンジニアになれる、というわけではありません。
求人情報を確認しながら、必要なスキルとの不足分を埋める方法を選びましょう。
セキュリティエンジニアに必要なスキル
セキュリティエンジニアには、セキュリティだけでなくIT全般の知識が必要です。
特に身につけておきたいのは次のスキルです。
ネットワークの知識
通信の仕組みを理解するために、ネットワークの知識は重要です。
IPアドレスや通信プロトコル、ファイアウォールなどについて理解しておくと、セキュリティ対策を考えやすくなります。
サーバー・OSの知識
WindowsやLinuxなどのOS、サーバーの基本的な仕組みも学んでおきましょう。ログ確認やアクセス権限の設定など、実務でも関係する場面があります。
クラウドの知識
クラウド環境を利用する企業では、アクセス権限や認証、ネットワーク設定などのセキュリティ対策が必要です。
そのため、クラウドの基本的な仕組みを理解しておくことも役立ちます。
調査・分析力
セキュリティ監視やインシデント対応では、複数の情報から原因を調べる必要があります。ログや通信状況を確認し、何が起きているのかを整理する力が求められます。
コミュニケーション力
セキュリティ対策はエンジニアだけで完結するとは限りません。
社内の別部署や顧客へリスクや対策を説明する場面もあるため、専門的な内容をわかりやすく伝える力も重要です。
セキュリティエンジニアになるために有利な資格
セキュリティエンジニアになるために、必須となる資格があるわけではありません。
資格は転職を保証するものではありませんが、知識を体系的に身につける手段として活用できます。
代表的な資格・試験には、以下があります。
| 資格・試験 | 特徴 |
| 基本情報技術者試験 | IT全般の基礎知識を学べる |
| 応用情報技術者試験 | より幅広いIT知識を確認できる |
| 情報処理安全確保支援士試験 | サイバーセキュリティ分野の専門知識を問う |
いずれもIPAが実施する情報処理技術者試験などに含まれます。
出典:IPA「情報処理技術者試験」
未経験者の場合は、難易度の高い資格だけを先に目指すより、IT基礎を固めることも重要です。
資格取得と並行して、ネットワークやサーバーなど実務につながる知識を身につけましょう。
セキュリティエンジニアへの転職ルートに迷っている方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験を丁寧にヒアリングし、セキュリティ領域につながるスキルや求人の選択肢を整理します。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたい方も歓迎です。
文系・未経験・年代別でもセキュリティエンジニアになれる?
セキュリティエンジニアを目指せるかどうかは、学歴や年齢だけでは判断できません。
これまでの経験やITスキル、応募する求人の条件によって変わります。
文系でも目指せる?
文系だからセキュリティエンジニアになれないわけではありません。
重要なのは、ネットワークやサーバー、セキュリティなど業務に必要な知識を身につけることです。
IT未経験でも目指せる?
IT未経験から目指す場合は、IT基礎から段階的に学ぶ必要があります。
セキュリティ職だけに限定せず、インフラ運用や監視など、将来的なキャリアにつながる仕事も含めて検討すると選択肢を広げられます。
20代から目指す場合
IT未経験の場合は、基礎学習と並行して未経験者向け求人を確認しましょう。
セキュリティ職に限定せず、ネットワークやサーバーの経験を積める環境からスタートする方法もあります。
30代・40代から目指す場合
これまでの業務経験をどのように活かせるか整理することが重要です。
IT経験者であれば、インフラ、クラウド、開発、社内SEなどの経験がセキュリティ分野につながる可能性があります。
未経験の場合は年齢だけで判断せず、これまでの経験と応募先が求めるスキルの接点を確認しましょう。
セキュリティエンジニアを目指すメリット|年収と将来性
セキュリティエンジニアは、ITインフラやクラウド、開発など幅広い知識を活かしながら専門性を高められる職種です。
今回使用できる公的データには、セキュリティエンジニア単独の平均年収がありません。
そのため、関連するIT職種の参考値を紹介します。
| 指標 | 金額・数値の目安 |
| SE(Webサービス開発)平均年収 | 約574万円 |
| SE(基盤システム)平均年収 | 約684万円 |
| 給与所得者全体の平均年収 | 約478万円 |
※セキュリティエンジニアとは仕事内容が異なるため、関連IT職種の参考値です。
出典:厚生労働省「job tag/システムエンジニア(Webサービス開発・基盤システム)」、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
また、経済産業省の調査では、2030年にIT人材が最大約79万人不足する可能性が示されています。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.43倍で、職業計の1.12倍を上回っています。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
これらはセキュリティエンジニア単独の需要を示す数値ではありませんが、IT人材全体の需要を見る参考になります。
セキュリティ分野を目指す場合も、専門知識だけに絞らず、ネットワークやクラウドなど周辺領域まで学ぶことでキャリアの選択肢を広げやすくなります。
セキュリティエンジニアを目指すときの注意点・よくある失敗
セキュリティエンジニアを目指す際は、「セキュリティ」という職種名だけで求人を選ばないことが重要です。
特に注意したいのは以下の点です。
・資格取得だけをゴールにする
・セキュリティだけを学びIT基礎を軽視する
・仕事内容を確認せず求人へ応募する
・最初から高度な専門職だけに絞る
・これまでの経験を活かせる領域を考えない
転職相談では、「今の仕事ではセキュリティの経験を積めないため転職したい」という相談もあります。
この場合、まず確認したいのは、スキルが伸びない原因が本人の能力にあるのか、それともセキュリティ業務を経験できない環境にあるのかという切り分けです。
環境が原因なら、現在のIT経験を活かしながらセキュリティ業務へ広げられる企業への転職も選択肢になります。
一方、仕事内容そのものが合わない場合は、インフラやクラウド、開発など関連職種も含めてキャリアを考える方法があります。
応募前に確認したいチェックリスト
□ 実際に担当するセキュリティ業務は何か
□ 監視・運用と設計・構築の割合はどうか
□ 未経験者はどの業務から担当するのか
□ ネットワークやサーバーの経験を積めるか
□ クラウド環境を扱えるか
□ 将来的に担当できる工程は広がるか
□ 自分の現在の経験を活かせるか
□ 希望する働き方と勤務形態が合っているか
求人票だけで判断できない場合は、面接で具体的な担当業務やキャリアパスを確認しましょう。
セキュリティエンジニアになるための次の一歩を整理したい方へ
市場価値を客観的に確認したうえで、現在の経験から目指せる求人や不足しているスキルを一緒に整理します。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
セキュリティエンジニアになる方法について、重要なポイントを整理します。
・未経験から直接目指すほか、インフラや開発経験を経由する方法もある
・IT未経験者はネットワークやサーバーなどの基礎から学ぶ
・資格だけではなく、実務につながるスキルや経験を身につける
・セキュリティの中でも、将来どの専門分野へ進みたいか考える
・求人では職種名だけでなく、実際の担当業務や経験できる工程まで確認する
セキュリティエンジニアへの道は一つではありません。
現在の経験を整理し、自分に足りない知識と次に積むべき経験を明確にすることから始めましょう。
よくある質問
セキュリティエンジニアになるには何から始めればよいですか?
IT未経験の場合は、ネットワークやサーバー、OSなどの基礎から学ぶのがおすすめです。その後、代表的なサイバー攻撃やセキュリティ対策について学び、実務経験につなげていきましょう。
セキュリティエンジニアは未経験でもなれますか?
未経験から目指すことは可能です。ただし、求人によって求められる経験は異なります。セキュリティ監視やインフラ運用など、将来的にセキュリティへつながる仕事から経験を積む方法もあります。
セキュリティエンジニアになるには資格が必要ですか?
必須資格はありません。資格は知識を体系的に学ぶ手段として活用できますが、転職では実務経験やITの基礎知識も重要です。資格取得だけをゴールにしないようにしましょう。
セキュリティエンジニアになるにはプログラミングが必要ですか?
担当分野によって異なります。開発経験が役立つ分野もありますが、ネットワークやサーバーを中心に扱う仕事もあります。まずは目指すセキュリティ領域から必要なスキルを逆算しましょう。
文系でもセキュリティエンジニアになれますか?
文系出身だから目指せないわけではありません。学部よりも、ネットワークやサーバー、セキュリティなど業務に必要な知識を身につけ、実務につながる経験を積むことが重要です。
インフラエンジニアからセキュリティエンジニアになれますか?
インフラ経験を活かして目指す方法があります。ネットワーク、サーバー、アクセス制御などはセキュリティ業務とも関連します。現在の経験と希望するセキュリティ分野の接点を整理するとよいでしょう。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【IT部門統括責任者】キャリアアドバイザー 小畑 大夢
近畿大学卒業後、新卒で当社入社。圧倒的な当事者意識で営業活動に従事し、全社MVP・MVMの連続受賞をはじめ多くの表彰を経験。
圧倒的な求職者様目線を強みに、これまで多くのITエンジニアの転職成功に貢献。
現在は、IT部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
