「医療機器 メーカー 転職」と検索したあなたは、「これまでの機械・電気系の経験を活かせるのか」「未経験の業界でも転職できるのか」と悩んでいるのではないでしょうか。
医療機器メーカーへの転職は、機械設計・回路設計・品質保証などの経験を活かせる可能性があります。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、医療機器メーカーの仕事内容、求められる経験、転職の進め方まで解説します。
そもそも医療機器メーカーとは
医療機器メーカーとは、医療現場で使用される機器の研究開発、設計、製造、販売などを行う企業です。
医療機器には、注射器やメスのような小型製品から、内視鏡、人工呼吸器、画像診断装置などまで幅広い製品があります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、医療機器開発技術者は、医療機器メーカーで研究開発や設計を行う技術者として紹介されています。
医療機器メーカーで働く主な職種
医療機器メーカーには、エンジニアだけでなく複数の職種があります。
| 職種 | 主な仕事内容 | 活かしやすい経験 |
| 機械設計 | 製品の構造・部品・筐体などを設計 | CAD、機械設計、評価 |
| 電気・回路設計 | 電子回路や基板などを設計 | 回路設計、電気評価 |
| 制御設計 | 製品の制御システムを設計 | PLC、組込み、制御 |
| 品質保証 | 製品品質や品質管理体制を担当 | 品質保証、評価、不具合対応 |
| 生産技術 | 量産工程や設備を改善 | 生産技術、設備設計 |
| 研究開発 | 新製品・新技術を研究 | 研究開発、技術開発 |
特に機械・電気系エンジニアの場合、これまでの専門性を活かして異業界から転職できるケースがあります。
医療機器メーカーへの転職で狙いやすい5つの職種
医療機器メーカーへの転職では、これまでの経験と近い職種から狙うことが基本です。
1. 機械設計
医療機器の筐体や機構、部品などを設計します。
CADを使った設計経験に加えて、材料、加工、強度、量産性などの知識が活かせます。
厚生労働省のjob tagでは、医療機器開発技術者の業務として、概念設計、基本設計、詳細設計、生産設計などが紹介されています。
2. 電気・回路設計
医療機器に搭載される電子回路や基板などを設計する仕事です。
アナログ回路、デジタル回路、電源回路、基板設計などの経験が活かせる場合があります。
医療機器では製品の安全性が重要になるため、設計だけでなく評価や検証の経験もアピール材料になります。
3. 制御・組込み
医療機器を動作させる制御システムや組込みソフトウェアを担当します。
マイコン、組込みC、PLCなどの経験がある場合は、製品分野が異なっていても共通する技術を整理して伝えることが重要です。
4. 品質保証
製品が要求された品質や安全性を満たしているかを確認し、品質管理の仕組みを整える仕事です。
設計職だけでなく、評価・試験、不具合解析、生産技術などの経験から転職を目指せる可能性があります。
5. 生産技術
医療機器を安定して量産するための製造工程や設備を担当します。
設備設計、工程改善、治具設計、品質改善などの経験がある場合は、医療機器業界でも経験を活かせる可能性があります。
医療機器メーカー転職で評価されやすい4つの経験
医療機器業界が未経験でも、これまでの経験を適切に整理すればアピールできます。
1. 設計・開発経験
医療機器そのものの経験がなくても、製品開発の経験は重要なアピールポイントです。
特に以下の経験は整理しておきましょう。
・構想設計
・基本設計
・詳細設計
・試作
・評価・検証
・量産対応
・設計変更
医療機器開発技術者は、設計だけでなく試作品の検証や設計変更の管理なども担当します。
2. 品質・評価の経験
医療機器では製品の安全性や品質が重要です。
そのため、単純に「設計ができます」と伝えるより、
「どのような条件で評価したか」
「不具合をどう分析したか」
「設計変更によって何を改善したか」
まで説明できると、経験の再現性を伝えやすくなります。
3. 他部署との調整経験
医療機器開発では、設計部門だけで完結しない仕事も多くあります。
企画、品質保証、生産技術、製造、営業など、複数部門との調整経験はアピール材料になります。
4. 法規制・品質管理への関心
医療機器は、一般的な産業機械とは異なり、医療機器特有の法規制や品質管理への対応が求められます。
業界未経験の場合、すべてを入社前に習得する必要はありません。
ただし、
「医療機器業界では安全性や規制対応が重要だと理解している」
という姿勢を示すことは大切です。
医療機器メーカーへの転職で求められるスキル
医療機器メーカーでは、専門技術だけでなく、品質や安全性を意識した仕事の進め方も重要です。
| スキル | 重要な理由 | 活かせる経験 |
| CAD・設計 | 製品開発の基礎になる | 機械設計 |
| 回路設計 | 電子機器の開発に必要 | 電気・電子設計 |
| 評価・試験 | 性能や安全性を確認する | 製品評価 |
| 不具合解析 | 問題の原因を特定する | 品質・設計 |
| 調整力 | 複数部門との連携に必要 | PJ経験 |
| 文書作成 | 設計・品質情報を記録する | 技術資料作成 |
| 英語 | 海外展開する企業では活用機会がある | 英文資料・海外対応 |
特に転職時には「何ができるか」だけでなく、「どの製品で、どの工程を担当したか」まで整理してください。
医療機器メーカー転職のメリット4つ
医療機器メーカーへの転職には、専門性を活かしながら異業界へ挑戦できる可能性があります。
1. 技術を社会貢献につなげやすい
医療機器は医療現場で使用されるため、自分が関わった製品が医療従事者や患者を支えることにつながります。
job tagでも、医療機器開発について、医療従事者を支え、患者の命を救うことに貢献できる仕事として紹介されています。
2. これまでの技術経験を活かせる
医療機器業界が未経験でも、機械設計や電気設計などの経験が完全にリセットされるわけではありません。
特に設計・評価・品質などの経験は、製品分野をまたいで活かせる可能性があります。
3. 高い品質意識を身につけられる
医療機器では安全性や品質が重視されます。
そのため、医療機器業界で経験を積むことで、設計だけでなく品質や規制を意識した製品開発の経験につながります。
4. 海外に関わる機会もある
日本の医療機器メーカーの中には、海外市場を対象に製品を展開する企業もあります。
job tagでも、海外顧客とのやり取りや英語力が活かされるケースが紹介されています。
医療機器メーカー転職の注意点3つ
一方で、医療機器メーカーならどこでも働きやすいとは限りません。
1. 規制や文書管理への対応が必要
医療機器では、安全性や品質に関わる記録を適切に管理する必要があります。
そのため、一般的なメーカーよりも文書作成や手続きが多いと感じる人もいます。
「設計だけを黙々としたい」という人は、求人票で担当範囲を確認しましょう。
2. 開発スピードだけを重視できない
医療機器では、安全性や品質の確認が重要です。
そのため、短期間で製品を市場投入することだけを目的とせず、検証や記録を積み重ねながら開発する場面があります。
3. 職場によって働き方は大きく違う
医療機器メーカーだから残業が少ない、働きやすいとは限りません。
開発拠点、担当製品、納期、組織体制によって働き方は変わります。
転職では「医療機器メーカーだから良い」と決めつけず、仕事内容と職場環境を分けて確認することが重要です。
メーカー転職を一人で悩む前に
メーカーへの転職を考えているものの、「自分の経験で応募できる求人が分からない」「年収を維持できるか知りたい」という場合は、まず情報収集から始める方法もあります。
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。
データで見る医療機器業界の市場規模
医療機器業界への転職を考えるなら、業界そのものの規模も確認しておきましょう。
厚生労働省の「薬事工業生産動態統計年報」によると、2024年の医療機器の国内出荷金額は4兆7,195億円でした。
国内生産金額は2兆6,642億円、輸入金額は3兆6,056億円となっています。
| 指標 | 2024年 |
| 国内生産金額 | 2兆6,642億円 |
| 輸入金額 | 3兆6,056億円 |
| 輸出金額 | 1兆1,445億円 |
| 国内出荷金額 | 4兆7,195億円 |
ただし、これらは医療機器産業全体の数字です。
個別の企業や職種の採用需要を直接示すものではないため、転職先を判断するときは求人内容も合わせて確認しましょう。
医療機器開発技術者の年収
厚生労働省のjob tagでは、医療機器開発技術者が属する主な職業分類の統計として、2025年の賃金構造基本統計調査を加工した全国の賃金が703.9万円と掲載されています。
ただし、この数値は医療機器開発技術者だけを対象とした数字ではありません。職業分類には関連する複数の技術職が含まれるため、医療機器メーカーの求人年収とそのまま比較しないよう注意が必要です。
医療機器メーカーへの転職を7ステップで進める
実際に転職活動を始める場合は、次の順番で整理すると進めやすくなります。
1. 転職理由を整理する
まず「なぜ医療機器メーカーなのか」を言語化します。
「社会貢献できそうだから」だけではなく、
・医療分野の製品開発に関わりたい
・安全性を重視した製品開発を経験したい
・機械設計の専門性を広げたい
・完成品メーカーで開発工程全体に関わりたい
など、具体化しましょう。
2. これまでの経験を棚卸しする
「機械設計5年」だけでは情報が足りません。
次の項目を書き出してください。
・製品
・担当工程
・使用CAD
・担当部品
・設計人数
・試作・評価経験
・不具合対応
・量産対応
・改善実績
3. 医療機器との共通点を探す
自動車、産業機械、家電、精密機器などから転職する場合は、医療機器との共通点を探します。
例えば、
「精密部品の設計経験」
「安全性を考慮した設計」
「量産工程を考慮した設計」
「不具合解析の経験」
などです。
4. 応募職種を決める
「医療機器メーカー」という業界だけで求人を探すのではなく、職種まで絞り込みます。
機械設計なのか、回路設計なのか、品質保証なのかによって必要な経験が異なるためです。
5. 求人票を比較する
最低でも以下を確認しましょう。
| 確認項目 | チェックポイント |
| 製品 | 何の医療機器か |
| 工程 | 構想・設計・評価・量産のどこか |
| 担当範囲 | 一部工程か一貫開発か |
| 組織 | チーム人数・他部署との連携 |
| 勤務地 | 開発拠点・転勤の有無 |
| 働き方 | 残業・フレックス・出社頻度 |
| 年収 | 基本給・賞与・手当を含めて確認 |
6. 職務経歴書を医療機器向けに変える
応募企業に合わせて、経験の見せ方を変えましょう。
例えば、
「自動車部品の機械設計を担当」
だけではなく、
「3D CADを使用し、樹脂部品の詳細設計から試作評価まで担当。量産時の不具合を分析し、設計変更による改善も実施」
のように、工程と成果を具体化します。
7. 面接で「なぜ医療機器なのか」を説明する
異業界からの転職では、ここが重要です。
「医療に興味があります」だけで終わらせず、
「これまでの○○という経験を、医療機器の○○という領域で活かしたい」
という形にすると、転職理由と経験がつながります。
転職エージェントから見た「医療機器メーカー転職」のポイント
私たちが機電エンジニアの転職相談を受ける際にも、「メーカーに行きたい」という希望だけではなく、なぜメーカーに行きたいのかを掘り下げることが重要だと考えています。
例えば、「今の会社では設計範囲が狭い」という悩みなら、医療機器メーカーに限定せず、開発上流まで関われる求人を探したほうがよい場合があります。
反対に、「自社製品を長期的に育てたい」という希望なら、医療機器メーカーへの転職が選択肢になる可能性があります。
つまり、転職先を決める前に「仕事内容の問題なのか、職場環境の問題なのか」を切り分けることが大切です。
転職前に使えるチェックリスト
以下を一度書き出してみてください。
・今の仕事で好きな業務は?
・今の仕事で変えたい業務は?
・設計、評価、品質、生産技術のどれが得意?
・自社製品に関わりたい?
・医療分野に興味を持った理由は?
・勤務地や働き方で譲れない条件は?
・年収で最低限希望する水準は?
これを整理してから求人を探すと、転職先とのミスマッチを減らしやすくなります。
医療機器メーカーへの転職でよくある失敗3つ
1. 「医療機器メーカー」という名前だけで応募する
同じ医療機器メーカーでも、製品や担当職種によって仕事内容は大きく異なります。
「医療機器」という業界名だけで判断せず、製品・工程・担当範囲を確認しましょう。
2. 今の経験をそのまま書くだけ
「CADを5年間使った」だけでは、採用担当者は経験の深さを判断しにくい場合があります。
「何を設計したか」「どの工程を担当したか」「どんな問題を解決したか」まで書きましょう。
3. 年収だけで求人を選ぶ
年収は重要な条件ですが、仕事内容が希望と合わなければ長期的なキャリアにつながりにくくなります。
仕事内容、勤務地、働き方、担当工程、キャリアパスまで含めて比較することをおすすめします。
医療機器メーカーへの転職を考えている方へ
医療機器業界が未経験でも、機械設計、電気設計、制御、評価、品質保証、生産技術などの経験を活かせる可能性があります。
ただし、すべての求人で同じ経験が評価されるわけではありません。
大切なのは「医療機器の経験があるか」だけではなく、「これまでの経験を医療機器メーカーでどう活かせるか」を具体的に伝えることです。
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。
まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。今の悩みの相談だけでもかまいません。
まとめ
医療機器メーカーへの転職について、今回の記事のポイントをまとめます。
・医療機器メーカーには機械設計、電気設計、制御、品質保証、生産技術などの職種がある
・異業界からでも、これまでの設計・評価・品質などの経験を活かせる可能性がある
・医療機器では安全性、品質、規制対応を意識した仕事が求められる
・転職では「仕事内容」と「職場環境」の問題を切り分けることが重要
・応募時は「これまでの経験を医療機器でどう活かせるか」を具体的に伝える
よくある質問
医療機器メーカーへの転職は未経験でも可能ですか?
可能性はあります。厚生労働省のjob tagでも、医療機器開発技術者は中途採用で他業種からの転職がみられるとされています。特に設計・評価などの経験を整理して伝えることが重要です。
機械設計から医療機器メーカーへ転職できますか?
可能性があります。医療機器の開発では機械設計やCAD、試作、評価などの工程があるため、これまでの経験を活かせる求人があります。ただし、製品や担当工程によって求められる経験は異なります。
医療機器メーカーではどんな資格が必要ですか?
職種によって異なりますが、医療機器開発技術者について、job tagでは特定の関連資格は掲載されていません。資格取得だけを優先するより、設計や評価などの実務経験を整理することが重要です。
医療機器メーカーは将来性がありますか?
医療機器の国内出荷金額は2024年に4兆7,195億円でした。ただし、市場全体の規模と個別企業の採用状況は別の指標です。転職時は企業ごとの事業内容や求人状況も確認しましょう。
医療機器メーカーの年収はいくらですか?
医療機器開発技術者だけに限定した公的な年収統計として扱える数字には注意が必要です。job tagでは関連する職業分類の2025年賃金として703.9万円が掲載されていますが、医療機器開発技術者だけの平均ではありません。
医療機器メーカーへの転職で面接では何を聞かれますか?
「なぜ医療機器なのか」「これまで何を設計・開発したか」「担当工程はどこか」「経験をどう活かせるか」などが重要です。特に異業界からの場合は、経験と応募先との共通点を具体的に説明できるよう準備しましょう。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
