「研究職」と検索したあなたは、この職業がどんな役割を担い、どのような一日を過ごすのか知りたいのではないでしょうか。
研究職とは、新しい技術・製品・知見を生み出すために、実験や分析を繰り返しながら知識を積み上げていく仕事です。
分野によって扱う対象や研究のスタイルは大きく異なりますが、共通して「まだ分かっていないこと」に向き合う点が特徴です。
この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、研究職の定義から仕事内容、種類、必要スキル、年収、なるための方法までを解説します。
研究職とは
研究職とは、企業や研究機関において、新しい技術・製品・知見を生み出すことを目的に、実験・分析・検証を繰り返す職種です。
材料・化学・医薬品といった機電系分野から、AI・データサイエンスといったIT系分野まで、扱う対象は幅広くあります。
相談現場でも、「研究職と一口に言っても、分野によって仕事の進め方が大きく異なると知った」という声を聞くことがあります。
開発職との違い
開発職は、既にある技術や知見を活用して、製品として形にすることを目的とする職種です。
研究職は、まだ確立されていない技術や知見そのものを探求する点で異なります。企業によっては、研究職と開発職が同じ部署で連携しながら業務を進めることもあります。
研究職が生み出した知見を、開発職が具体的な製品仕様に落とし込むという分業体制を取る企業も多く見られます。
学術研究者との違い
大学などの学術機関に所属する研究者は、学術的な知見の探求そのものを目的とすることが多いのに対し、企業の研究職は、事業や製品化につながる知見を生み出すことを重視する点で異なります。
基礎研究に近い業務を担う企業もありますが、最終的には事業への貢献が期待される点が特徴です。学会発表や論文執筆の機会がある企業もありますが、その位置づけは学術機関とは異なります。
仕事内容【5つの工程】
研究職の仕事は、大きく5つの工程に分けて理解すると全体像がつかみやすくなります。
| 工程 | 主な役割 |
| テーマ設定 | どのような課題・仮説を検証するかを決める |
| 実験計画 | 仮説を検証するための実験・検証方法を設計する |
| 実験・検証の実施 | 計画に基づいて実験を行い、データを取得する |
| データ分析 | 得られたデータを分析し、仮説を検証する |
| 報告・共有 | 結果を報告書・論文・社内資料としてまとめ、共有する |
テーマ設定
どのような課題を解決するか、どのような仮説を検証するかを決める工程です。
事業の方向性や、既存の知見の中でまだ解明されていない部分を踏まえて、テーマを設定します。テーマの選び方一つで、その後数ヶ月〜数年の研究の方向性が決まるため、社内外の情報収集や、先行研究の調査も重要な業務になります。
実験計画
仮説を検証するために、どのような実験・検証方法を用いるかを設計する工程です。
限られた時間・予算の中で、効果的に仮説を検証できる計画を立てる力が求められます。どの条件を変化させ、どのデータを取得すれば仮説の検証に十分といえるかを、事前に見極める必要があります。
実験・検証の実施
計画に基づいて実際に実験を行い、データを取得する工程です。想定通りの結果が得られないことも多く、条件を変えながら繰り返し検証することもあります。
実験機器の扱いや、正確なデータ記録も、この工程で欠かせないスキルです。
データ分析
得られたデータを分析し、仮説が正しかったかどうかを検証する工程です。
統計的な手法やソフトウェアを用いて、データの意味を読み解きます。単純にデータを見るだけでなく、ノイズと意味のある変化を見分ける力も求められます。
報告・共有
結果を報告書や社内資料、場合によっては論文としてまとめ、関係者に共有する工程です。
得られた知見を分かりやすく伝える力も、研究職に求められるスキルの一つです。専門知識のない関係者にも、結果の意義を理解してもらえるよう工夫することが重要になります。
研究職の種類
研究職は、目的やフェーズによって、いくつかの種類に分けられます。
・基礎研究:事業化を前提とせず、新しい原理や現象そのものを探求する研究です。成果が事業に直結するまでに長い時間がかかることも多くあります
・応用研究:基礎研究で得られた知見を、実際の技術・製品に応用するための研究です。基礎と実用の橋渡しを担う役割です
・開発研究:応用研究の成果を、具体的な製品として実用化するための研究です。開発職との連携が特に重要になります
扱う分野によっても特徴が異なります。材料・化学分野では実験設備を用いた検証が中心となり、AI・データサイエンス分野ではデータ分析やモデル構築が中心となります。
医薬品分野では、より長期的な臨床試験を含む研究プロセスが特徴です。
分野によって必要な設備・知識・研究期間が大きく異なるため、志望する分野の特性を事前に理解しておくことが大切です。
1日の流れ(例)
研究職の1日のイメージをつかみやすいよう、一例を紹介します。あくまで一例であり、企業やフェーズによって業務の比重は異なります。
・9:00 出社、前日の実験結果の確認
・10:00 実験・検証の実施
・13:00 データ整理・分析
・15:00 チームメンバーとのディスカッション
・16:30 報告書・資料の作成
・17:30 翌日の実験計画の整理、退勤
研究職の仕事、自分に合うか気になったら
経験豊富なアドバイザーが、これまでの経験や希望を丁寧にヒアリングします。まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。 
必要なスキル・知識
研究職として働くうえで求められる主なスキルは以下の通りです。
・論理的に仮説を立て、検証する力(何が分かれば課題が解決するかを見極める力)
・データを分析し、意味を読み解く統計的な知識 ・実験・検証を地道に繰り返す根気(結果が出るまで諦めずに条件を検討し続ける姿勢)
・結果を分かりやすく伝える文書作成力・説明力 ・専門分野の知識を継続的に学び続ける姿勢(技術や理論は日々更新されていくため)
役立つ資格
研究職に資格は必須ではありませんが、分野によっては知識の証明として役立つ資格があります。
「資格がなければなれない」というわけではなく、あくまで補助的な位置づけです。
・技術士:各専門分野における高度な技術力を証明する国家資格です
・統計関連の検定:データ分析の基礎知識を証明する資格です
・分野別の専門資格:化学分析・薬学など、扱う分野に応じた専門資格が役立つ場合があります
研究職では、大学院での研究経験や、専門分野における学位が重視される場面も多く、資格以上に学術的な背景が評価されることもあります。
私たちの求人選考の現場でも、「資格の有無よりも、これまでどのような研究テーマにどう向き合ってきたか」を重視する企業が多いという傾向が見られます。
研究職の仕事、続けるべきか迷ったら
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。 
やりがいと大変さ
やりがいとしては、自分の仮説が検証され、新しい知見や技術として形になる瞬間に立ち会えることが挙げられます。
誰も知らなかったことを明らかにする過程には、独自の面白さがあります。
一方で、実験が思うような結果につながらず、長期間成果が見えない状態が続くこともあり、地道な作業に根気が必要な場面が少なくありません。
私たちの相談現場でも、「成果が出るまでの期間が長く、周囲からの評価が実感しにくいことがある」という声を聞くことがあります。
研究職になるには
研究職になるための準備としては、以下のような点が一般的です。
・大学・大学院で専門分野の研究経験を積む
・学会発表や論文執筆を通じて、研究の進め方を学ぶ
・企業によっては、修士・博士といった学位が応募条件になっている場合があります
・未経験からの転職の場合は、分野に近い実務経験や、データ分析スキルをアピールできると有利になる場合があります
分野によって求められる背景は大きく異なるため、志望する研究分野の求人要件を事前に確認することが大切です。特に理系分野の研究職では、大学院での研究テーマや、実験手法の経験が、選考でも具体的に問われることが多いとされます。
研究職から広がるキャリアパス
研究職としての経験は、その後のキャリアの選択肢を広げやすい点も特徴です。
・開発職:研究で得た知見を、実際の製品仕様に落とし込む立場へのキャリアチェンジです
・知的財産・特許関連の業務:研究内容を権利化するための専門知識を活かせるキャリアです
・研究部門のマネジメント職:チーム全体の研究テーマ設定や予算管理を担う立場へのキャリアアップです
・技術営業・コンサルティング:専門知識を活かして、顧客への技術的な提案や助言を行うキャリアです
研究職で培った「仮説検証の思考プロセス」や「専門知識を分かりやすく伝える力」は、多くの職種で応用できる汎用性の高いスキルとされます。
まとめ
・研究職とは、新しい技術・製品・知見を生み出すために実験・分析を繰り返す仕事
・開発職や学術研究者とは、目的や事業への関わり方の点で役割が異なる
・仕事内容はテーマ設定・実験計画・実験実施・データ分析・報告共有という5つの工程に分けられる
・基礎研究・応用研究・開発研究など、目的やフェーズによって種類が分かれる
・年収は企業規模や分野、学位・経験年数によって差が大きく、固有の統計は限定的
よくある質問
研究職とはどんな仕事ですか?
新しい技術・製品・知見を生み出すために、実験や分析を繰り返しながら知識を積み上げていく仕事です。
研究職と開発職はどう違いますか?
開発職は既存の技術・知見を活用して製品化することを目的とし、研究職はまだ確立されていない技術・知見そのものを探求する点で異なります。
未経験でも研究職に就けますか?
分野によって難易度は異なりますが、大学院での研究経験や関連する実務経験があると評価されやすい傾向があります。
研究職に資格は必要ですか?
必須ではありません。技術士や統計関連の検定などが知識の証明として役立つ場合がありますが、学位や研究経験のほうが重視される場面も多くあります。
研究職の年収はどのくらいですか?
研究職固有の公的な年収統計は確認できていません。企業規模や分野、学位・経験年数によって差が大きいため、求人ごとの条件確認をおすすめします。
研究職はAIによってなくなりますか?
データ分析の一部は自動化が進む可能性がありますが、仮説を立てる力や実験の設計・解釈といった業務は人の判断が求められる場面が多く残ると考えられます。
文系出身でも研究職に就けますか?
分野によります。人文・社会科学系の研究職であれば文系出身者も多く活躍していますが、理系分野の研究職では、専門分野の学位が求められることが多い傾向があります。
研究職から他の職種にキャリアチェンジすることはできますか?
可能です。開発職や知的財産関連の業務、研究部門のマネジメント職、技術営業など、研究で培った専門知識や仮説検証の思考プロセスを活かせるキャリアパスがあります。
研究職の求人ではどんな経験が重視されますか?
学位や研究テーマそのものよりも、どのような課題にどう向き合い、どんな工夫をして結果を出したかという、研究の進め方そのものが評価される傾向があります。
この記事の執筆者

AIdeaCareerMedia編集部
主にIT・機電エンジニアに特化した転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればエンジニア人材の採トレンド等の「エンジニアに携わる転職・採用」の情報を提供します。
この記事の監修者

【機電部門統括責任者】キャリアアドバイザー 湯浅 空大
立命館大学卒業後、新卒で中堅アパレル企業へ入社。当社入社後は未経験圧倒的なスピードで実績を上げ、わずか2年半で機電部門統括責任者に就任。
圧倒的な求職者様目線を強みに、多くの機電エンジニアの転職成功。現在は、機電部門統括責任者として、勝てる組織づくりと後進育成に邁進。
