大手SIerとの40年以上にわたるパートナーシップを礎とするHCグループ(ヒューマンクリエイショングループ)。そのグループの中で“上流”を担う受託・コンサルティング会社として2019年に生まれたのが、株式会社アセットコンサルティングフォース(以下、ACF)だ。設立から7年、個別のシステム開発(SI)で実績を積み重ねてきた同社は、いま自社サービス「amane」を軸とした“サービス提供型”のビジネスへと大きく舵を切ろうとしている。「IT業界の首位を目指すことに、正直あまり価値を感じていない」――そう率直に語るのは、代表取締役社長の猪俣俊平氏。生成AIが受託開発とコンサルティングのあり方を根底から変えつつあるいま、ACFはどんな人材とともに未来を切り開こうとしているのか。飾らない言葉で、その本音を伺った。

代表取締役社長 猪俣 俊平(いのまた しゅんぺい)氏
新卒でNTTデータビジネスシステムズに入社し、システム開発に従事。その後、NTTデータスミス、NTTデータイントラマートにてシステム開発・プリセールスを経験する。アセットコンサルティングフォースに参画後は、執行役員・取締役を経て代表取締役社長に就任。現在はグループ会社である株式会社セイリングの取締役を兼務したのち、同社の代表取締役にも就任している。一貫して“システム開発畑”を歩んできた、現場出身の経営者。
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「人材派遣」から一歩踏み出す。HCグループの“上流”を担うために生まれた会社
―― まず、猪俣社長ご自身のこれまでのキャリアと、社長就任までの経緯を教えてください。
猪俣氏:新卒で入社したのはNTTデータビジネスシステムズで、そこでシステム開発に携わったのがキャリアの原点です。その後、NTTデータスミス、NTTデータイントラマートと渡り歩き、システム開発に加えてプリセールスの経験も積みました。一貫して“システムをつくる”現場にいたという感覚が強いですね。
その後、アセットコンサルティングフォースに参画し、執行役員、取締役を経て、代表取締役社長に就任しました。いまはグループ会社のセイリングでも取締役を兼務し、そちらの代表取締役にも就いています。経営という立場にはなりましたが、根っこはずっと開発の人間だと思っています。
―― ACFの事業内容を、この記事を読んでいる転職検討中のITエンジニアにも分かりやすく教えてください。
猪俣氏:大きく分けると、5つの領域で事業を展開しています。ひとつ目がシステム開発。ふたつ目が、お客様の情報システム部の社員を代替するような立ち位置で動くITディレクター。三つ目がシステムコンサルティング、四つ目がシステムの運用保守です。
そして五つ目が、自社プロダクトの展開です。BaaS・PaaS・SaaSといった形で、「amane」「コネクトフォース」、AIカメラの「メバル」といったサービスを持っています。上流の企画・コンサルから、開発、運用保守、そして自社サービスまで――一気通貫で手がけられるのが、ACFという会社の輪郭だと考えてもらえればと思います。
―― HCグループの中で、ACFはどんな役割・立ち位置を担っているのでしょうか。複数のIT企業があるなかでの違いを教えてください。
猪俣氏:一番の違いは、人材派遣ではないということです。ACFは、案件を請け負う“請負型”、あるいはサービスそのものを届ける“サービス提供型”のビジネスを展開しています。グループのなかで、より上流に踏み込み、お客様の課題そのものに向き合っていくポジション。そこがACFの持ち味です。
―― 2019年の設立の背景についても伺わせてください。「大手SIerとのパートナーシップ40年」を機に、なぜあえて新会社としてACFを立ち上げたのですか。
猪俣氏:HCグループは長らく、人材派遣を中心にビジネスを進めてきたグループでした。ただ、ホールディングスがIPOを目指していくにあたって、もう一段、上流に踏み込んだ会社が必要だという話になったんです。受託やコンサルティングといった上流領域を担う子会社をつくることで、グループ全体のビジネスに変化をもたらしたい。その想いが、2019年のACF設立につながっています。

“IT業界の首位を目指すことに、正直あまり価値を感じていないんです。”
「個別SI」から「サービス提供型」へ。AIが塗り替える“受託開発とコンサル”の未来
―― 今後の事業ロードマップを、お答えできる範囲で教えてください。「IT業界の首位グループを目指す」という言葉もありますが、その具体的な道筋は。
猪俣氏:正直に言うと、「IT業界の首位を目指す」ということは、ほとんど意識していません。首位を取ること自体に、あまり価値を感じていないからです。
それよりも大事にしているのは、ビジネスの“かたち”を変えていくことです。設立からの7年間は、個別のSI(システム開発)が中心でした。でも、ここからは“サービス提供型”のビジネスへと大きく舵を切っていきます。具体的には、自社サービスである「amane」に、さまざまなサービスやツールを拡充していく。そのうえで、サービス提供そのものに加えて、導入コンサルティングやライセンスビジネスを中心に事業を広げていく考えです。
これまで積み上げてきたITディレクター、システム開発、システムコンサル、運用保守の経験値は、決して無駄にはなりません。そのすべてが、amaneというサービスのなかで活きてくると考えています。
―― 生成AIの時代を迎え、受託開発やITコンサルティングのあり方はどう変わるとお考えですか。ACFとしての対応方針も教えてください。
猪俣氏:まずコンサルティングについて言うと、いわゆるコンサル会社が担ってきた“ITコンサル”は、変化するというより、衰退して、そのうちなくなっていくのではないかと見ています。
ある領域に特化した知識やスキルを武器に助言するような、専門性の高いコンサルティング以外はその価値を失っていく。我々のスタイルは、プロジェクトやシステム投資が動き出すその瞬間から、完成、稼働、運用に至るまでを“伴走”していく――そんなイメージです。厳密にいえば、それはもうコンサルティングではないのかもしれない。いや、それこそが本当のコンサルティングだ、という人もいるでしょうね。
……こんな社名にしておいて非常に心苦しいのですが(笑)、私はシステム開発畑で育ってきた人間なので、正直、いわゆるコンサルはあまり好きではないんです。
一方で、受託開発は大きく変わると思います。AIの活用によって、技術やスキルレベルの“差”はなくなっていく。ただプログラムを書く、試験を実施する、監視を回すといった“作業”は、これから消えていくでしょう。代わりに問われるのは、お客様から課題や期待を引き出し、整理して、それをどうAIに受け渡すかという力。いってみればコミュニケーション能力の延長線上にある力が、これからの時代の勝負どころになると考えています。
―― 現在の組織の規模や体制、そしていま感じている課題があれば教えてください。
猪俣氏:3社の合併を経て、いまは社員数80名弱という規模です。組織については、“小さな会社であること”を武器に、状況に応じて頻繁に変え続けているので、特に大きな課題は感じていません。課題を感じれば、すぐにテコ入れする。それができるのが、この規模の強みです。
……あえて挙げるとすれば、組織そのものというより、経営層のレベルをもっと引き上げていくことが、自分たちの正直な課題かもしれません。
―― 「人が人を育てる文化」を掲げていらっしゃいますが、具体的にはどんな仕組み・取り組みがあるのでしょうか。
猪俣氏:人と人が――社内も、お客様も含めて――働いている限り、育て合うのは当たり前のことだと思っているのですが……。
仕組みの面でいうと、ACFは新卒採用を行っておらず、中途採用が中心です。基本的には即戦力として入社いただく前提なので、教育・キャリア形成はOJTが中心になります。評価については評価シートを用い、まず1年間の目標を設定したうえで、四半期ごとに内容と達成度を確認していくという形で運用しています。
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共通点は「みんな個性的」。手を挙げれば、何にでも挑戦できる
―― ACFで活躍されているエンジニア・コンサルタントの方々に、何か共通点はありますか。
猪俣氏:共通点は……ないですね(笑)。みんな、とにかく個性的です。そこがACFらしさだと思います。
―― 上流のコンサルから下流の運用保守まで、一気通貫で関われることは、エンジニアのキャリアにどう効いてくるのでしょうか。
猪俣氏:お客様と、そしてプロジェクトと向き合う時間が、圧倒的に長くなるということです。企画の段階から、開発、そして運用まで、ずっと同じお客様に伴走できる。自分のキャリアにとって、これ以上のプラスはないと思っています。
―― 未経験・若手から、コンサルタントやITディレクターへのキャリアパスを描くことは可能でしょうか。
猪俣氏:可能です。実際に、未経験からその道を歩み始めている社員もいます。ただ、ACFは中途の即戦力採用が多いので、これは主に兄弟会社からの転籍者の話にはなりますね。
―― 中途入社された方の入社理由や、入社後の“良い意味でのギャップ”として、よく聞く声はありますか。
猪俣氏:実は、社員に「ギャップはあった?」という質問をしたことがないんです。
というのも、これまでは即戦力採用やリファラルが多く、必要なポジションに、必要なスキルを持った人に来てもらうことがほとんどでした。だから、みんな当たり前のように仕事をこなしてくれている、という感覚なんですね。ただ、これからは経験の浅い人や新卒の採用にも取り組んでいきたいと考えています。
―― 働き方やカルチャーの実際――社風やリモートの可否、チームの雰囲気について教えてください。
猪俣氏:ひと言でいえば、自分のやりたいことに手を挙げれば、何にでもチャレンジできる社風です。裏を返せば、そういうモチベーションがない方には、少しつらい環境かもしれません。
働き方については、居住地の関係で例外もありますが、基本ルールは週3出社・週2在宅としています。
チームの雰囲気でいうと、プロパー社員か、BP(ビジネスパートナー)さんかを問わず、言いたいことをお互いに言い合える――そんなチームが多いと思います。
“悩みを持っている人ではなく、“やりたいこと”がある人に来てほしい。”
「悩みで来ないでほしい。“やりたいこと”で来てほしい」―― これから仲間になる人へ
―― いままさにACFが採用したい人物像を、スキル面・マインド面それぞれで教えてください。
猪俣氏:まず何より、人との関わりを大切にできる人です。そのうえで、きちんとコミュニケーションが取れる人。あとは……難しいのですが、第一印象の良い人。そして、自分のやりたいことが明確にある人ですね。そのやりたいことは、いつ、どんなタイミングで変わっても構いません。大事なのは、“自分の軸”を持っていることです。
―― 選考で、猪俣社長ご自身が重視して見ているポイントはありますか。
猪俣氏:これも同じで……正直なところ、ほとんどの内定は「第一印象」で出しています。それくらい、人としての在り方を大切にしています。
―― 「こういう悩みを持っている人にこそ来てほしい」という、転職を考えている方へのメッセージはありますか。
猪俣氏:これはあえて言いますが、悩みを抱えて来てほしいわけではないんです。そうではなくて、「自分はこういうことがやりたい」という思いを持っている方を歓迎します。後ろ向きな理由ではなく、前を向いた理由で、うちの扉を叩いてほしい。

―― 5年後、ACFはどんな会社になっていたいですか。
猪俣氏:規模は、おそらく大きくなっているでしょう。でも、いまと同じようにフットワーク軽く動けて、みんなの顔が見える会社でありたい。そこは、5年後も絶対に変えたくないところです。
―― 最後に、ACFに興味を持った読者へメッセージをお願いします。
猪俣氏:ACFは、本当に“自分のやりたいこと”ができる会社だと思っています。そして、それを支えてくれる、気の良い仲間がいる会社です。自分一人ではできないことを、みんなで成し遂げる――そんな経験を、ぜひうちでしてほしい。
すべての社員に対して、いつも思っていることがあります。それは、企業の“歯車”になるのではなく、自分の手で新しい事業を切り開いていってほしい、ということ。その挑戦を、ACFは全力で後押しします。

会社概要
会社名:
株式会社アセットコンサルティングフォース(ACF)
代表者:
代表取締役社長 猪俣 俊平
設立:
2019年7月
所属グループ:
HCグループ(ヒューマンクリエイショングループ)
グループ理念:「ITと人財で未来を創造する」
社員数:
約70名
事業内容:
・システム開発
・ITディレクター
・システムコンサルティング
・システム運用保守
・自社プロダクト
- amane
- コネクトフォース
- AIカメラ「メバル」 など
企業URL:
https://acfinc.co.jp/
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※本記事は、株式会社アセットコンサルティングフォースへのインタビューをもとに構成したものです。
