「休職中 給与」と検索したあなたは、休んでいる間の収入がどうなるのかを、早く確かめたいのではないでしょうか。結論として、休職中の給与は支払われないことが一般的ですが、その代わりに利用できる可能性のある仕組みがいくつか存在します。 何が使えるかは、加入している健康保険と勤務先の就業規則によって変わります。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、休職中の給与の考え方、受け取れる可能性があるお金、休職中も発生する支出、確認しておきたいことを順に整理します。
なお、前提として私たちはキャリアの専門家であり、法律や社会保険の専門家ではありません。 以下は一般的な考え方の整理です。金額や条件は必ず、加入先の健康保険や公的窓口でご確認ください。
結論|押さえておきたい5点
- 休職中の給与は、支払われないことが一般的とされます
- ただし、勤務先の就業規則で独自の手当を定めている場合があります
- 私傷病による休職では、健康保険の傷病手当金という仕組みがあるとされます
- 業務が原因の場合は、労災保険による給付の対象となる場合があります
- 給与が止まっても、社会保険料などの支出は発生し続けます
特に見落とされやすいのが最後の1点です。 収入が止まるだけでなく、支出が残ることを前提に見通しを立てる必要があります。
なぜ休職中の給与は支払われないのか
給与は、労務を提供したことに対して支払われるものと考えられています。休職中は労務の提供が行われないため、給与が発生しないという整理になるとされます。
また、休職という制度そのものが、法律で一律に定められたものではないとされます。制度の有無、期間、待遇はそれぞれの会社の就業規則に委ねられている場合が一般的です。
つまり、同じ状況でも会社によって扱いが異なります。 一般論を調べるだけでは答えが出ないため、必ず自社の就業規則を確認する必要があります。
相談の現場では、「就業規則を見たことがないまま休職に入り、後から生活費の見通しが立たなくなった」という声を聞きます。休職を検討し始めた段階で、規程を取り寄せておくことをおすすめします。
休職中に受け取れる可能性があるお金【一覧】
給与が止まっても、以下の仕組みが使える場合があります。該当するかどうかは条件次第であり、すべての方が受け取れるものではありません。
| 仕組み | 概要 | 確認先 |
| 傷病手当金 | 私傷病で働けない期間の所得を補う健康保険の仕組みとされます | 加入している健康保険組合、または全国健康保険協会 |
| 労災保険の休業に関する給付 | 業務や通勤が原因の場合の給付とされます | 勤務先、労働基準監督署 |
| 有給休暇の使用 | 残日数がある場合、休職前に使用する選択もあります | 勤務先の人事・労務担当 |
| 会社独自の休職手当・見舞金 | 就業規則や労働協約で定めている会社があります | 勤務先の就業規則 |
| 共済会・団体保険の給付 | 会社が加入する団体制度で給付がある場合があります | 勤務先の人事・労務担当 |
| 民間の就業不能保険 | 個人で加入している場合、給付対象となることがあります | 契約している保険会社 |
| 長期にわたる場合の公的年金制度 | 状態や期間により対象となる制度があるとされます | 年金事務所 |
金額や支給期間、待期の考え方などには具体的な条件が定められているとされます。本記事では数値を示さず、確認先のみを記載しています。
傷病手当金について確認しておきたい5点
私傷病で休職する方にとって、最も関わりが深い仕組みです。以下の5点を、加入先に確認してください。
- 対象となる条件:どのような状態が支給の対象とされるか
- 支給される金額の算定方法:何を基準に計算されるか
- 支給が始まる時期:申請からいつ支払われるか
- 支給される期間の上限:どこまで受け取れるか
- 申請の手順と必要書類:誰が何を書き、どこへ提出するか
申請には、医師の記入欄と勤務先の記入欄がある書類を用いるのが一般的とされます。書類が複数の関係者を経由するため、初回の支給までには一定の時間がかかります。 この時間差を見込んだ資金の準備が、実務上の要点になります。
手続きの詳細や期限は制度で定められているとされます。不明点は、健康保険組合または全国健康保険協会にご確認ください。
給与が止まっても発生する支出【確認リスト】
ここが最も見落とされる部分です。
| 項目 | 休職中の扱い |
| 健康保険料・厚生年金保険料 | 本人負担分は発生し続けるとされます |
| 住民税 | 給与からの控除ができない場合、納付方法が変わることがあるとされます |
| 雇用保険料 | 給与の支払いがない期間の扱いは制度により異なるとされます |
| 家賃・住宅ローン | 通常どおり発生します |
| 通信費・光熱費 | 在宅時間が増え、増加する場合があります |
| 医療費 | 通院の頻度によって変動します |
| 労働組合費・共済費 | 会社を通じた徴収方法が変わる場合があります |
給与から控除されていたものが、休職中は振込や現金での納付に切り替わる場合があります。その場合、支払いの案内を見落とすと未納につながります。会社の労務担当に、支払い方法と期限を必ず確認してください。
収入が止まる不安の中身は、多くの場合「金額の不足」ではなく「見通しの不明さ」です。 入ってくるものと出ていくものを一度紙に書き出すだけでも、判断が落ち着きます。
休職前・休職中に確認しておきたいこと【チェックリスト】
体調が許す範囲で、上から順に進めてください。
- □ 就業規則の休職に関する条項を入手した
- □ 休職できる期間と、期間満了時の扱いを確認した
- □ 休職中の給与や手当の定めがあるかを確認した
- □ 有給休暇の残日数と、使用の可否を確認した
- □ 傷病手当金の対象になるか、加入先に確認した
- □ 社会保険料と住民税の支払い方法を確認した
- □ 会社との連絡窓口と、連絡の頻度を決めた
- □ 診断書の提出時期と、提出先を確認した
上の3つが済んでいれば、当面の見通しは立ちます。すべてを一度に終える必要はありません。 体調が優先される時期であれば、主治医の判断を仰いだうえで進めてください。
休職中のキャリアについて、情報だけ集めておきたい方へ
経験豊富なアドバイザーが、これまでのキャリアを丁寧にヒアリングします。体調の回復が第一ですので、まずは情報収集の一環として話を聞いてみたいという方も歓迎です。
会社への確認・依頼の伝え方【例文】
長文にする必要はありません。確認したい項目を並べるだけで十分です。
お世話になっております。休職の手続きについて、以下の点をご確認いただけますでしょうか。
①休職期間中の給与および手当の取り扱い
②社会保険料・住民税の支払い方法と期限
③傷病手当金の申請にあたり、会社にご記入いただく書類の手順
④診断書の提出先と提出時期
体調により返信が遅れる場合がございますので、ご連絡は書面またはメールでいただけますと助かります。
連絡手段を書面やメールに寄せておくと、記録が残り、後の確認が楽になります。 電話でのやり取りが負担に感じる場合は、その旨を添えて問題ありません。
データで見る|休職後のキャリアの見通し
休職中の給与に直接関係する統計は限られるため、本記事では職種別の平均年収などは扱いません。いま必要な判断に直結しないためです。
一方で、復職後や転職後の見通しについては参考になる指標があります。
| 指標 | 数値(目安) |
| 有効求人倍率(職業計) | 1.12倍 |
| 有効求人倍率(情報処理・通信技術者) | 1.43倍 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
さらに、2030年には最大約79万人のIT人材が不足するという推計もあります。
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)
求人の総数が多いという事実は、「一度休んだら戻る場所がない」という前提が必ずしも正しくないことを示しています。 ただし、応募すれば決まるという意味ではありません。回復の段階に応じて動く前提で受け取ってください。
復職・環境の変更・療養|3つの方向と切り分け
給与の見通しが立ったあとに考える話です。急ぐ必要はありません。
①復職を目指す
主治医と産業医の見解を踏まえ、復職の可否と時期を判断します。復職時に、担当工程や業務量の調整を相談できる場合があります。まずこの可能性を確認するのが基本です。
②回復後に環境を変える
ここで欠かせないのが切り分けです。休職に至った原因が、仕事内容そのものにあるのか、それとも人員体制や納期の組み方といった職場環境にあるのかを分けて考えてください。
- 原因が環境にある場合:同じ職種のまま、体制の整った企業を探す道があります
- 原因が仕事内容にある場合:担当領域や職種を変える検討が必要になります
たとえば、常駐先が短い間隔で変わる働き方が負荷になっていた方が、同じ技術領域のまま自社開発の環境に移って落ち着いた、という例があります。逆に、業務の性質そのものが合わない場合は、企業を変えても状況は変わりにくくなります。
③療養に専念する
転職活動を並行させず、まず離れるという判断もあります。制度上の扱いは状況によって変わるとされますので、退職の時期を決める前に、傷病手当金や雇用保険の取り扱いを加入先とハローワークに確認してください。
相談できる窓口
一人で判断しなくてよい部分は、思っているより多くあります。
- 健康保険・傷病手当金のこと:加入している健康保険組合、全国健康保険協会
- 年金・長期の制度のこと:年金事務所
- 業務が原因の場合:労働基準監督署
- 働き方や休職のトラブル:労働基準監督署の総合労働相談コーナー
- 法律・社会保険の個別相談:弁護士、社会保険労務士
- 体調・治療のこと:主治医、産業医、自治体の保健所や精神保健福祉センター
※各窓口の受付時間や連絡先は変更される場合があります。
この記事はキャリアの観点から整理したものです。気持ちの落ち込みが強く、手続きを進めることそのものが難しいと感じる場合は、書類より先に医療機関や公的な相談窓口につながることを優先してください。
復職か、環境を変えるか。決める前に整理してみませんか
市場価値を客観的に評価したうえで、納得のいく選択肢を一緒に考えます。今の悩みの相談だけでもかまいません。初回はオンラインまたは電話で20分程度から始められます。
まとめ
- 休職中の給与は支払われないことが一般的で、扱いは就業規則によって異なります
- 私傷病では傷病手当金、業務が原因の場合は労災保険の給付が関わるとされます
- 収入が止まっても、社会保険料や住民税などの支出は発生し続けます
- 初回の支給までに時間差があるため、当面の資金を見込んでおく必要があります
- 金額や条件は必ず、加入先の健康保険や公的窓口で確認するのが確実です
よくある質問(FAQ)
休職中に給与は全く支払われないのですか
支払われないことが一般的とされますが、会社によっては就業規則で独自の手当を定めている場合があります。まずは自社の規程をご確認ください。給与がない場合も、健康保険の傷病手当金などが利用できる可能性があります。
傷病手当金はいくら受け取れますか
算定の方法と上限は制度で定められているとされ、収入や加入状況によって変わります。金額の目安は、加入している健康保険組合または全国健康保険協会でご確認いただくのが確実です。本記事では数値を掲載していません。
有給休暇を使ってから休職したほうがよいですか
状況によって有利不利が変わるため、一律にはお答えできません。有給休暇中は給与が支払われる一方、傷病手当金との関係で扱いが変わる場合があるとされます。会社の労務担当と加入先の両方に確認してください。
休職中も社会保険料を払う必要がありますか
本人負担分は発生し続けるとされます。給与からの控除ができないため、振込などに切り替わる場合があります。支払い方法と期限を会社に確認し、案内を見落とさないようにしてください。未納を防ぐことが大切です。
休職中に賞与や昇給はどうなりますか
会社の制度によって異なります。休職期間を評価や勤続年数の算定にどう扱うかは、就業規則や賃金規程に定められている場合が一般的です。休職に入る前に、あわせて確認しておくと後の見通しが立てやすくなります。
休職したことは、その後の転職で不利になりますか
一律に不利になるとは限りません。健康状態に関する情報の取り扱いには法令上の配慮があるとされます。伝える範囲は主治医と相談のうえ判断し、離職や休職の期間の説明を事前に整理しておくと落ち着いて臨めます。
