「金型設計」と検索したあなたは、どんな仕事なのか、どうすれば携われるのかを知りたいのではないでしょうか。金型設計とは、製品を量産するための型(金型)を設計する仕事です。 製品そのものではなく、その製品を大量に、同じ品質で作るための型を考えるのが役割です。この記事では、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントである私たちが、金型設計の仕事内容・種類・必要なスキルや資格・年収・なり方までを解説します。
金型設計とは
金型設計とは、樹脂や金属の製品を量産するための型を設計する仕事です。製品図面をもとに、「どうすればこの形を安定して量産できるか」を考えて型の構造を決めるのが中心的な役割です。
私たちの身近な製品の多くは、金型を使って作られています。目に触れることは少ないものの、製造業のものづくりを支える基盤となる仕事です。
製品設計との違い
製品設計は、製品そのものの形や機能を設計します。一方、金型設計はその製品を量産するための型を設計します。**製品設計が「何を作るか」、金型設計が「どう量産するか」**を担う関係です。
生産技術・金型製作との違い
生産技術は、生産ライン全体や工程を整えます。金型製作(加工)は、設計された型を実際に機械加工でつくる工程です。金型設計はその前段で、型の構造を決める役割を担います。
金型設計の仕事内容【工程別】
金型設計の仕事は、製品図面の検討から量産の立ち上げまで続きます。工程ごとに役割が変わります。
| 工程 | 主な役割 |
| 製品図面の検討 | 量産できる形かを確認し、必要なら改善を提案する |
| 型構想設計 | 型の全体構成、部品の分割方法を決める |
| 詳細設計 | 各部品を設計し、型図面に落とし込む |
| 加工手配 | 加工方法を踏まえ、製作を手配する |
| 試作・トライ | 実際に成形し、問題がないか検証する |
| 修正・量産移行 | 問題点を修正し、量産に移す |
① 製品図面の検討
まず製品図面を見て、その形が量産できるかを検討します。抜き勾配(型から製品を取り出すための傾き)や肉厚など、成形しやすさの観点から確認します。必要に応じて、製品設計者へ改善を提案します。
② 型構想設計・詳細設計
型の全体構成を考え、部品の分割や動作の仕組みを決めます。その後、各部品を詳細に設計し、型図面にまとめます。冷却や材料の流れ方まで考える必要があり、経験が問われる工程です。
③ 試作・トライから量産へ
完成した型で実際に成形し、寸法や品質を検証します。問題があれば修正し、量産に移行します。設計して終わりではなく、量産で安定するまで見届けるのが特徴です。
金型の種類
金型は、成形する方法や製品によっていくつかに分かれます。どの型を扱ってきたかが、金型設計者の専門性になります。
| 種類 | 主な用途 |
| 射出成形金型 | 樹脂製品の成形(家電の外装、自動車内装など) |
| プレス金型 | 金属板の加工(自動車部品、電子部品など) |
| ダイカスト金型 | 溶かした金属を流し込む成形(エンジン部品など) |
| 鋳造用の型 | 鋳物製品の製造 |
| ゴム・その他の型 | ゴム部品や特殊材料の成形 |
型の種類によって、考慮すべき点や必要な知識が異なります。転職の際も、扱ってきた型の種類が重視される傾向があります。
金型設計の1日の流れ(例)
働き方は企業やフェーズで変わりますが、一例を挙げます。
- 午前:設計作業、図面のチェック、社内の打ち合わせ
- 日中:加工現場や成形現場での確認、関係者との調整
- 夕方:設計の修正、資料やデータの整理
- 随時:試作トライへの立ち会い、不具合対応
試作トライや量産立ち上げの時期は、現場での作業が増える傾向があります。設計室だけで完結しない点が特徴です。
金型設計に必要なスキル・知識
金型設計には、CAD操作に加えて、成形や加工への理解が求められます。主なスキルは次のとおりです。
- CAD(3D・2D)の操作
- 成形の知識(樹脂の流れ、収縮、プレス加工など)
- 機械加工の知識(どう作れるかを踏まえた設計)
- 材料の知識(鋼材、樹脂、金属材料)
- 機械要素の知識(機構、締結、摺動など)
- コスト意識と、現場との調整力
最も重要なのが「作れる型を設計する」視点です。図面上で成立しても、加工できなければ形になりません。加工現場との対話から学べることが多い職種です。
金型設計に役立つ資格
金型設計に必須の資格はありませんが、知識の裏づけとして役立つものがあります。
- 技能検定「金型製作」(プレス金型製作作業、プラスチック成形用金型製作作業など)
- 機械設計技術者試験
- CAD利用技術者試験
- 技術士(機械部門)
実務では、資格より現場での経験が重視される場面が多くあります。そのうえで、知識を体系化する目的で活用するとよいでしょう。
金型設計の年収
金型設計の年収は、企業規模・地域・扱う型の種類・経験によって幅があります。金型設計に限定した公的な平均年収データは限られます。
| 区分 | 年収(目安) |
| 若手・経験浅め | 【要出典】 |
| 中堅・実務経験あり | 【要出典】 |
| 上級・難易度の高い型を担当 | 【要出典】 |
参考として、全職業の有効求人倍率は1.12倍です。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年11月)
これは全職業の指標であり、金型設計に限った数値ではありません。具体的な金額は、職種・業界別の公表データや求人でご確認ください。
金型設計のやりがいと大変さ
金型設計には、魅力と大変さの両面があります。良い面だけでなく、実際の負荷も正直にお伝えします。
やりがいとして、次の点が挙げられます。
- 自分が設計した型から、多くの製品が生まれる
- 経験がそのまま専門性として積み上がる
- ものづくりの根幹を支えている実感がある
一方で、次のような大変さも実在します。
- 型に問題があると、量産が止まるという責任の重さ
- 納期が厳しく、試作トライで問題が出ると負荷が集中する
- 一人前になるまでに時間がかかるとされる
- 少人数体制で、属人化しやすい職場もある
私たちの相談現場でも、「金型設計は好きだが今の環境がつらい」という声を聞きます。ここで大切なのが、その不満が金型設計という職種そのものによるものか、今の職場環境(納期・体制・設備)によるものかを切り分ける視点です。環境が理由なら、体制の整った企業で状況が変わる可能性があります。
「金型設計の仕事に進みたい」と考えたら
職種の実態や、経験の活かし方を、機電系にも詳しいアドバイザーが一緒に整理します。まだ情報収集の段階でも、相談だけで大丈夫です。
金型設計になるには
金型設計は、機械系の学びや現場経験を土台に目指す職種です。加工や成形の現場を知っていることが、大きな強みになります。
主なルートは次のとおりです。
- 工業高校・高専・大学などで機械系を学び、金型メーカーへ入る
- 機械加工や成形の現場を経験し、設計へ移る
- CADオペレーターから、設計業務へ広げる
- 未経験可の求人から、評価や図面修正を経て設計を担う
未経験から目指す場合は、CADと図面の知識を身につけ、教育体制のある企業を選ぶことをおすすめします。加工現場が社内にある企業だと、作り方を学びながら設計を覚えられる利点があります。
なり方の道筋を一人で悩む前に
何から始めるか、経験をどう活かすかを、機電系にも詳しいアドバイザーが一緒に整理します。今の疑問の相談だけでもかまいません。
まとめ
金型設計について、要点を整理します。
- 金型設計とは、製品を量産するための型を設計する仕事
- 製品図面の検討から、試作トライ・量産立ち上げまで関わる
- 射出成形・プレス・ダイカストなど、型の種類が専門性になる
- CADに加え、成形・加工・材料の知識と「作れる設計」の視点が重要
- 加工や成形の現場経験は、設計へ進む土台になる
金型設計の年収は、職種・業界別の公表データをご確認ください。
よくある質問(FAQ)
金型設計と製品設計の違いは何ですか?
製品設計は製品そのものの形や機能を設計し、金型設計はその製品を量産するための型を設計します。「何を作るか」と「どう量産するか」の違いです。金型設計では、成形しやすさや加工方法まで考える必要があります。
金型設計は未経験でもできますか?
可能性はありますが、CADと図面の知識が土台になります。機械加工や成形の現場経験があると入りやすい傾向があります。未経験の場合は、図面修正や評価から始め、段階的に設計を担うルートが現実的です。
どんな種類の金型がありますか?
射出成形金型(樹脂製品)、プレス金型(金属板)、ダイカスト金型(溶かした金属)、鋳造用の型などがあります。種類によって必要な知識が異なり、扱ってきた型が金型設計者の専門性になります。
金型設計に資格は必要ですか?
必須ではありません。実務では現場での経験が重視される場面が多いためです。ただし技能検定の金型製作や機械設計技術者試験などは、知識を体系化する目的で役立ちます。まず担当領域を決めてから検討するとよいでしょう。
金型設計の年収はどのくらいですか?
企業規模・地域・型の種類・経験によって幅があります。金型設計に限定した公的データは限られるため、本記事では確定的な金額を示せません。職種・業界別の公表データや、実際の求人でご確認ください。
金型設計の仕事はこの先も必要ですか?
製品を量産する仕組みとして金型は広く使われており、役割がなくなる状況は考えにくいといえます。ただし業界ごとの動向には差があります。将来性を判断する際は、扱う製品分野の動向も合わせて考えることが大切です。
