電子回路エンジニアに役立つ資格7選|難易度・運営団体・取得メリットを解説

電子回路エンジニアに役立つ資格7選|難易度・運営団体・取得メリットを解説

電子回路の設計・開発は無資格でも就ける仕事ですが、資格を取得することで、専門知識の証明・転職時のアピール・キャリアの幅の広がりにつながります。とはいえ電気・電子系は資格の種類が多く、「どれを取るべきか分からない」という方も多いはずです。

この記事では、電子回路エンジニアに役立つ資格を7つ厳選し、それぞれの区分・運営団体・難易度の目安・取得メリットを整理します。さらに、レベル別・目的別のおすすめや勉強法まで、IT・機電エンジニア専門の転職エージェントの視点で解説します。

電子回路の仕事に資格は必要?

結論:電子回路の業務に必須の資格はありません。実務では、アナログ・ディジタル回路の知識、回路設計・基板設計のスキル、計測・評価の経験などが重視され、無資格でも設計者として活躍できます。

ただし、資格には「知識を体系的に学べる」「スキルを客観的に証明できる」「転職・昇進で評価されやすい」というメリットがあります。電気・電子系は専門性が高く需要も伸びている分野のため、資格が後押しになる場面は少なくありません。

電子回路エンジニアに役立つ資格7選【一覧】

まずは7つの資格を一覧で確認しましょう。難易度の目安は参考であり、等級・年度によって変動します。

資格・検定区分主な運営団体難易度の目安
技術士(電気電子部門)国家資格公益社団法人 日本技術士会(文部科学省所管)最難関
EMC設計技術者資格民間資格KEC関西電子工業振興センター(米iNARTEと共同)中〜やや難
電子機器組立て技能士(1〜3級)国家検定中央職業能力開発協会/都道府県職業能力開発協会
電気主任技術者(電験三種〜一種)国家資格一般財団法人 電気技術者試験センター
電気通信主任技術者国家資格一般財団法人 日本データ通信協会やや難
工事担任者国家資格一般財団法人 日本データ通信協会
第二種電気工事士国家資格一般財団法人 電気技術者試験センター易〜中

出典:各試験の主催・実施団体公表情報(公益社団法人 日本技術士会/KEC関西電子工業振興センター/中央職業能力開発協会/一般財団法人 電気技術者試験センター/一般財団法人 日本データ通信協会)。難易度・合格率は年度・等級により変動します。

1. 技術士(電気電子部門)

科学技術分野で最高峰とされる国家資格で、公益社団法人 日本技術士会(文部科学省所管)が所管します。技術士試験は21の技術部門に分かれ、そのひとつが電気電子部門です。第一次試験と、実務経験を経て受験する第二次試験があり、二次試験は技術系資格でも最難関クラスです。

おすすめの人:電気・電子設計のスペシャリストとして長期的にキャリアアップしたい人/独立・コンサルも視野に入れる人

2. EMC設計技術者資格

電子機器・電気電子回路・プリント基板の設計者が、EMC(電磁両立性)への対応設計力を持つことを認証する資格です。KEC関西電子工業振興センターと米国のiNARTEが共同で創設・運営しています。受験には学士以上の学歴または実務経験5年以上が必要で、難易度は比較的高めです。

自動車の電動化などでEMC対策の重要性が高まっており、回路設計者としてレベルアップしたい人に向いています。

出典:KEC関西電子工業振興センター「EMC設計技術者資格試験」案内

おすすめの人:ノイズ対策・EMC設計のスキルを強みにしたい回路設計者

3. 電子機器組立て技能士(1〜3級)

電子機器の組立て・修理・電子回路の点検に関する知識・技能を認定する国家検定(技能検定)です。中央職業能力開発協会の基準に基づき、各都道府県の職業能力開発協会が実施します。1〜3級があり、1・2級は合格率が5割を下回る年もある、実技重視の試験です。

出典:技能検定(電子機器組立て)実施機関 公表データ

おすすめの人:回路の組立て・実装・点検の実技力を国家検定で証明したい人

4. 電気主任技術者(電験三種〜一種)

発電所や工場・ビルなどの電気設備の保安・監督を担う国家資格で、一般財団法人 電気技術者試験センターが試験を実施します。三種・二種・一種があり、上位ほど難関です。電子回路に直結するわけではありませんが、電気の基礎を体系的に固められ、電気系キャリアの土台として高く評価されます。

おすすめの人:電気の基礎を固めたい人/電気設備・電力分野にも活躍の幅を広げたい人

5. 電気通信主任技術者

電気通信ネットワークの工事・維持・運用を監督する国家資格で、一般財団法人 日本データ通信協会が実施します。通信機器や伝送設備に関わる電子回路エンジニアにとって、専門性の証明になります。

おすすめの人:通信機器・ネットワーク分野の回路や設備に携わる人

6. 工事担任者

端末設備などを電気通信回線に接続する工事を行うための国家資格で、こちらも一般財団法人 日本データ通信協会が実施します。通信系の入門〜中級資格として取り組みやすく、電気通信主任技術者へのステップにもなります。

おすすめの人:通信分野の基礎を身につけたい人

7. 第二種電気工事士

一般住宅や店舗などの電気工事を行える国家資格で、一般財団法人 電気技術者試験センターが実施します。電子回路設計そのものの資格ではありませんが、電気の取り扱いと基礎を学べる入門資格として、電気・電子系を目指す人に人気です。

おすすめの人:電気の基礎から学びたい人/未経験で電気・電子系を目指す人

「ディジタル技術検定」は現在休止中

電子回路・ディジタル回路の資格として長く知られてきた「ディジタル技術検定」は、令和5年6月の検定をもって休止となっています。これから受験を検討する場合は、再開状況を主催元で確認するか、上記の現行資格を軸に検討するのがおすすめです。

出典:ディジタル技術検定 主催元の公表情報(令和5年6月検定をもって休止)

資格取得の3つのメリット

1.    知識を体系的に学べる:アナログ・ディジタル回路や電気の基礎を、試験勉強を通じて整理・補強できる。

2.    スキルを客観的に証明できる:求人応募や社内評価で、知識・スキルの裏づけとしてアピールできる。

3.    転職・キャリアアップで有利になりやすい:資格手当や、より好条件の求人への応募につながるケースがある。電気・電子系は需要が高く、資格が後押しになりやすい。

レベル別・目的別のおすすめ資格

未経験・これから目指す人:第二種電気工事士、工事担任者(電気の基礎・通信の入門から)

回路設計の実務者:電子機器組立て技能士、EMC設計技術者資格(設計・実装・ノイズ対策の証明)

さらにキャリアアップを狙う人:技術士(電気電子部門)、電気主任技術者・電気通信主任技術者の上位(高度な専門性の証明)

効率的な勉強法のポイント

•      過去問を中心に学習する:多くの試験で過去問が公開・市販されており、出題傾向の把握が合格への近道。

•      実務と結びつけて覚える:日々の回路設計・計測・評価の業務と関連づけると定着しやすい。

•      実技対策を早めに始める:技能検定や実技のある試験は、手を動かす練習を計画的に。

•      試験日から逆算して計画を立てる:難関資格ほど必要学習時間が長いため、逆算した計画が重要。

資格と転職、どちらを優先すべきか迷ったら「今の経験で狙える求人」と「資格でどこまでキャリアが広がるか」を、IT・機電専門のアドバイザーが一緒に整理します。

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まとめ

•      電子回路の仕事に必須の資格はないが、知識証明・転職・キャリアの幅の面で取得メリットは大きい。

•      回路設計に直結するのは技術士(電気電子部門)・EMC設計技術者資格・電子機器組立て技能士。

•      電気の土台づくりには電気主任技術者・第二種電気工事士、通信系には電気通信主任技術者・工事担任者。

•      「ディジタル技術検定」は令和5年に休止しているため、現行資格を軸に検討を。

•      未経験は入門資格から、実務者は専門資格へとステップアップするのがおすすめ。

よくある質問(FAQ)

電子回路の仕事に資格は必須ですか?

必須ではありません。無資格でも電子回路エンジニアとして働けます。ただし資格は知識の証明や転職・昇進で有利に働くため、取得するメリットは大きいです。

電子回路エンジニアに最も評価される資格は何ですか?

国家資格である「技術士(電気電子部門)」が最高峰とされます。二次試験は最難関クラスですが、電気・電子設計のスペシャリストとして高く評価されます。

未経験者はどの資格から取るとよいですか?

電気の基礎を学べる「第二種電気工事士」や、通信の入門資格である「工事担任者」がおすすめです。学習の足がかりになり、上位資格へのステップにもなります。

EMC設計技術者資格とはどんな資格ですか?

電子機器・電気電子回路・プリント基板の設計者が、EMC(電磁両立性)への対応設計力を持つことを認証する資格です。KEC関西電子工業振興センターと米国iNARTEが共同で運営しています。

ディジタル技術検定は今でも受けられますか?

ディジタル技術検定は令和5年6月の検定をもって休止となっています。受験を検討する場合は、再開状況を主催元で確認してください。